徒然

エロライトノベルの傑作「学園秘芸帳」

これまで美少女文庫全作品をはじめ、数多くのエロライトノベル*1を読んできた私ですが、もしその中から1作品挙げろと言われれば、迷いなく「学園秘芸帳」を挙げます。 縛って!!正義の女王様―学園秘芸帳〈1〉 (学園秘芸帳 (1))作者: 羽沢向一出版社/メーカー…

早すぎた越境作家・三雲岳斗

ガガガ文庫で「絶対可憐チルドレン」ノベライズ 作家は三雲岳斗 - 平和の温故知新@はてな えー、三雲岳斗については前々からなんか書いておいたほうがいいと思ってたのですが、いい機会なので書いておきます。 三雲岳斗がデビューしたのは1999年。デビュー…

ライトノベル定義論に見せかけた自分語り

http://d.hatena.ne.jp/m_tamasaka/20071004/1191560263 上記エントリでは、ライトノベルの定義論争に際して、「自分たちが意識していないことにラベルが貼られていく」――自分たちは「ライトノベル」を作っているつもりはないのに、読者の側でライトノベルに…

いくつかの補足と、誤解への返答

これまでの流れのまとめ。 変てこなライトノベル - 雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜(起点となったエントリ) 2007-09-27 - うさ道(上記エントリへの反応) 『図書館戦争』という手法に見るライトノベル定義論 - 雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜(上記エントリ…

変わる定義

前回、前々回のエントリの補足。 私は前々回、「手段」としてのライトノベルという、『ライトノベル「超」入門』における定義を拡張して、小説の内容とともにパッケージング等を工夫し、ある一定の層に受け容れられることを目的として変化してきたのがライト…

返信、またはライトノベルの要件についてとか

『図書館戦争』という手法に見るライトノベル定義論 - 雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜 まず、誤解が生まれるのを承知でおおざっぱにまとめると、先のエントリで私が書いたのは「今現在ライトノベル読者が読んでいるのがライトノベルであり、そうでなければラ…

『図書館戦争』はライトノベルか

変てこなライトノベル - 雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜 ちょっと話のとっかかりにできそうな記事を見かけたのでお邪魔して。 上記エントリでは『刀語』や『図書館戦争』を、特に悩むようなこともなくライトノベルにカテゴライズしてい(るように見え)ますが…

ハードカバーは文庫よりもコストパフォーマンスが高い

自分の場合ですが、ハードカバーやソフトカバー、要は1000円以上する本は、文庫より確実にコストパフォーマンスが高いです。理由は簡単で、買った本を積むことがしばしばあるからです。*1 こんなとき、文庫だと単価が安いため、割と簡単にまあいいか、となっ…

定義しようとする前に、何のために定義するかを考えよう、という話

みんな大好き「ライトノベル定義論」について。 えー、とりあえず全員「ライトノベル『超』入門」を読もう。話はそれからだ。ライトノベル「超」入門 [ソフトバンク新書]作者: 新城カズマ出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2006/04/15メデ…

なにやら話題になってるようなので

最近のライトノベルは…… ライトノベルの挿絵は劣化したのか? - Something Orange 二番煎じとライトノベル業界の未来 - 一本足の蛸 根っこの話だと単に最近のイラストはどうよ、と言ってるだけにしか読めないのだけど、後2箇所では業界がどうのの話になって…

「ガガガ文庫は衰退しました」という意見は衰退しました

案の定前エントリはいろいろ意見をいただきました。私の書き方が悪くて上手くニュアンスが伝わらなかった部分があるようなので、何点か。 ガガガ文庫について 以上の推論から、USA3さんのガガガ文庫における新人賞受賞作の重みづけはやや重すぎると考えます…

要するに

上記エントリを要約すると「今回大賞該当作なしで良かったんじゃね?」ってことです。 ていうか小学館だとかロミオだとか、みんなホントにガガガ文庫が好きなんだなあ。俺もな。

ガガガ文庫は衰退しました

ガガガ文庫、とりあえず新人賞の2作を読んだんですが。マージナル (ガガガ文庫)作者: 神崎紫電,kyo出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/05/24メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 39回この商品を含むブログ (64件) を見る学園カゲキ! (ガガガ文庫 や 1-1)作…

今更ながら『ゼロの使い魔』はめちゃくちゃ面白い

※今回のエントリは無駄に気合いが入っているので、全編常体で書くことをお許しいただきたい。

ブログ雑感

ブログというのは、簡単にいろんな人に見てもらえたり、いろんな人とのつながりを持つことができたりして、それはいろいろな人の考えを知ることができるという意味では非常に良いことなのだけれど、一方でそのことに自覚的でないと、あまり面白くないことが…

『このライトノベルがすごい! 2007』発売中です

このライトノベルがすごい!2007作者: 「このミステリーがすごい!」編集部出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2006/11/21メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (88件) を見る 今年で3回目になる宝島社『このライトノ…

影響力の指標について

http://d.hatena.ne.jp/kim-peace/20061116/p4 ネット上での言及数や、同人誌即売会でのサークル数から影響力を考えると、美少女ゲームの影響力はそれほど大きくない、という意見。 んーと、そうではなくて、ネット上での言及*1や、同人誌即売会でのサークル…

美少女ゲームの影響力

http://d.hatena.ne.jp/kim-peace/20061115/p2(下「追記」部) ただ、これだと一時期の美少女ゲームが持ってた影響力の強さは説明できません。うーむ。 なるほど。私としては美少女ゲームとライトノベルの購買層の差を説明するだけで十分だと思っていたので…

ライトノベルを読んでいるオタクは実はそれほど多くない

http://d.hatena.ne.jp/kim-peace/20061115/p2 複雑な気分ではありますが、「ライトノベル」というジャンルはアニメ・マンガに対してまだまだ比肩しうるものではないと考えます。主な根拠は媒体としての影響力と市場規模の小ささです。ただ、そうすると美少…

現在時点でのライトノベル系各新人賞の「当たり年」

雲上四季 - ラノベのヴィンテージを探せ! 平和の温故知新 - ヴィンテージの年とアニメ化の話 個人的には、新人賞全体を通して「これだ!」といえる年は今のところ見あたりません。年ごとの当たり外れはもちろんある程度はあるでしょうが、その中で突出して…

考えて記事を書く、ということ

http://blog.livedoor.jp/m_s_r/archives/50701226.html 『危険』というのは『得体の知れない論になる』というような意味だと思うのでそれを前提に話しますが、御指摘はもっともで、読む人それぞれで意味が異なるような言葉はできれば使わない方がいいでしょ…

不用意に「オタク」とか書くのはやめたほうがいいんじゃないの、という話

http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20061006/1160141129 http://blog.livedoor.jp/m_s_r/archives/50698743.html 「人は」ではなく「オタクは」とあえて限定しているからには論者は「布教したがるようなメンタリティを(非オタクに比べて強く)持っているこ…

主要な少年向けライトノベルレーベルのまとめ(一般向け)

主要な少年向けライトノベルレーベルのまとめ 解説はともかく、気になるのは例として挙げられている作品群。押さえるべきところは押さえられてますが、どうしてもコアユーザーというか、「ライトノベルサイト寄り」だなあ、という印象です。もっと一般的な、…

ネット上のコミュニケーションについての実感

先の記事に反応があったので補足。引用された部分について、全部が全部他人との意識の共有について意識を払う必要はありませんが、そうするべきか否かの判断は常にある程度気にかけておいた方がいい、と思ってます。 ただ、ネットではそもそもそういった意識…

ライトノベルの市場構造を分析する態度について思うこと

ライトノベルの市場構造に関する話題を受けて。 少年少女科学倶楽部 - ライトノベルの市場構造の話 ウィンドバード::Recreation - 『涼宮ハルヒ』の人気とスニーカー文庫の人気が結びつかない理由 平和の温故知新@はてな - 9月16日の記事 結果からこういう…

ライトノベルと奇書と言葉の定義の話

なにやらちょっとした盛り上がりを見せている(た)こちら周りの話題について。 問題だった点としてはこちらやこちらで言われているとおり、未定義のものについて未定義のまま語ろうとしたしたことでしょうが、私が感じている限りこういった問題は今にはじま…

『ひぐらしのなく頃に 祭囃し編』雑感

以前あれこれ書いた手前何か書いておいたほうがいいと思ったので簡単に。 問題編までは、『ひぐらし』は普通におもしろい。 ご都合主義や少年漫画的展開をある程度許容できれば、『ひぐらし』は解答編を含めておもしろい。 完全に作者の手のひらの上で踊って…

「ライトノベルを薦める」ということ

Angel Heart Clubさん、7月22日の記述より。 うーん、ですから先のエントリは、ライトノベル作品を「ジャンル小説」としてではなく、あくまで「ライトノベルとして」薦めることを念頭に置いて書いているのですが。 ライトノベルとして認識されている作品を、…

フォームメールへの返信

「100部刷るのにも大きな覚悟がいるようなサークルもある」って、まさにそういう話をしてたんじゃないのか。リンク先は。 ついでに「だったら売れ行きがどうあっても次の本が出せるような形で出せばいいじゃん」はそれこそ、こだわりの問題が絡むんでは? と…

同人誌を「売る」ということ(まとめ)

その後も色々な方面からのご指摘を受けて、あらためて自分の考え方について思い返してみました。 どうやら自分には「同人誌を『売る』」という表現そのものに対して強い抵抗があるようです。「同人誌」というのはもともと同じようなものを好む人々が、その中…