ライトノベルのタイトルロゴに使われているフォント(2010年6月/電撃文庫)
ライトノベルのタイトルロゴに使われているフォントを調べて紹介する連載企画第3弾、今回は2010年6月に電撃文庫から刊行された作品についての解説です。ガイドラインとして「ノベライズは除く」「欧文はわかんないかも」ということで。
では、早速本文をどうぞ。
絶賛アニメ放映中で、夏コミとかでは同人誌もたくさん出るんだろうなーと思われるこの作品。パロディ表紙を作ろうとする人もいるかもしれませんが、残念ながらロゴは恐らく完全オリジナル。3つある「ラ」の形が全部違うのを見てもらえればわかりやすいかと。まあほぼ直線で構成されているロゴなので、真似するのもそんなに難しくはないと思います。
- 作者: 成田良悟,ヤスダスズヒト
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/06/10
- メディア: 文庫
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使用しているのは先日紹介した『グロリアスドーン』と同じ平成明朝体。こちらはかなり細めのものを使ってるためにだいぶ趣が違いますね。
- 作者: 川原礫,HIMA
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/06/10
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かなり特徴的なカタカナで構成されたロゴ。いろいろ調べたのですが、元ネタらしきものを見つけることはできませんでした。デザイナーフォントでこういうのがあるんじゃないかなあと思うんですが、なにせカナのみのデザイナーフォントというのは腐るほどあるもので……。
- 作者: 鎌池和馬,凪良
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/06/10
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はせトッポ(モリサワ)。こちらも先日紹介した『キバセン!』で使われてた書体ですね。
- 作者: 蒼山サグ,てぃんくる
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/06/10
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独特な角張った漢字を中心としたロゴ。漢字が多いとはいえ、ここまで特徴的ならすぐ見つかるかと思ったんですが、残念ながら元ネタらしきものは見つかりませんでした。なので現時点での結論は「オリジナル」。「と」は恐らく既存フォントだと思うんですが、ちとそこまで調査しきれませんでした。
- 作者: 入間人間,ブリキ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/06/10
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まず英字部分はCentury。Windows、Macintosh共に標準で入っているので見たことがある人も多いと思います。そして漢字・かな部分に関しては、「シリーズ」「境界線上」「ホライゾン」がTBデジタルTV明朝(タイプバンク)、間の「の」のみが小町(リョービイマジクス)。TBデジタルTV明朝は文字通りTVのテロップ用に制作された書体だそうなので、こういうところで使われるのは結構珍しいのかも。なお、小町というフォントはタイプバンクからも出ていますが、そちらは払いの先端や始筆部分が切り落とされたようになっている*1ため、ここで使われているのはリョービイマジクスのものだと思われます。GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン (3)上 (電撃文庫)
- 作者: 川上稔,さとやす(TENKY)
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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今回紹介した中での最萌えロゴ(フォント好き的に)。大きい文字(空/箱/零/マリア)はモリサワの毎日新聞明朝、小さい文字(ろの/と/の)は同じくモリサワの武蔵野というフォントなんですが、何が萌えるってこの武蔵野、書体見本を見ればわかるように、最初から縁が滲んだような感じになっているんですね。で、それに合わせて他の文字も加工したと。ロゴにするときに一括してこういう加工をしているのは珍しくないですが、もともと癖のあるフォントに合わせてほかの文字にも癖をつける、というのは恐らくあまりないケースだと思うので、今回の最萌えロゴに選ばせていただきました。
- 作者: 御影瑛路,鉄雄
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/06/10
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スランプ(フォントワークス)。これについては実は以前同人誌を作るときに調べていました。
- 作者: 峰守ひろかず,京極しん
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/06/10
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新ゴ(モリサワ)。ファミリーの中で一番太いUをさらに太くしてます。
- 作者: 小河正岳,津雪
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
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「司書」が超極太丸ゴシック体(ダイナコムウェア)、「ハサミ」がウインZM(ニィス)、「短い鉛筆」がクラフト遊(ダイナコムウェア)、そして間の「と」がじゃんけん(ニィス)。ひとつの中に4つものフォントが使われているという贅沢なロゴ。普通これだけたくさんの書体を一度に使うとまとまりがなくなりそうなものですが、それを違和感なくまとめているのはさすがですね。
- 作者: ゆうきりん,トモセシュンサク
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
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フォントワークスのロダン。よくありがちなモダンゴシック系ですが、「世」の形なんかに特徴があるので割と見つけやすかったです。世界平和は一家団欒のあとに〈10〉リトルワールド (電撃文庫)
- 作者: 橋本和也,さめだ小判
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
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ギガ丸Jr(視覚デザイン研究所)。視覚デザイン研究所のこの手のフォントはわかりやすくて安心します。レンタル・フルムーン〈3〉第三訓 星に願ってはいけません (電撃文庫)
- 作者: 瀬那和章,すまき俊悟
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
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ここからは今月から始まった新シリーズ。まずはSEの日常が赤裸々に描かれている(らしい)この作品ですが、フォント探しにえらく苦労しました。「なれ」はニィスのナミキPOPに近く、「る!」はダイナコムウェアのPOP1体ぽい感じ、というところまでは行き着いたんですが……。もしかすると自分の知らない中にそれっぽいデザイナーフォントがあるのかも。なお「SE」はEurostileというフォントだと思います。
- 作者: 夏海公司,Ixy
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
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この企画への挑戦か、と言わんばかりのロゴ。ヒントが実質カタカナ4文字しかないとは……。明らかに加工されているというのもあって、もうそのへんのモダンゴシックでいいんじゃね、と思いかけましたが、
- 作者: 上野遊,夕仁
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/06/10
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その中でも比較的イワタ新ゴシック(イワタ)が近いようです。いただいたコメントより、正しくはモリサワのタイプラボNのようです。
「恋/鬼門」がれいしっく(C&G)、「する/のプロトコル」がヒラギノ丸ゴシック(大日本スクリーン製造)。最後は変わったフォントの組み合わせでできた、なかなかときめくロゴでした。
- 作者: 出口きぬごし,をん
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/06/10
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こうしてみるとメーカーレベルでバラエティに富んでますね。さすがトップレーベル、と言うべきでしょうか。
次回更新は15日、GA文庫の予定です。お楽しみに。
*1:これはタイプバンクのほかのフォントにも共通する特徴で、たとえば「イ」の払いをよく見ると、先端が尖っていないのがわかると思います。