ラノリン杯雑感

 2005年ラノリン杯(試験用)の結果が出たようで。

 言うまでもないことですが、人気投票というのはレギュレーションによって大きく結果が変わってきます。同じものを対象とした投票でも、やり方を変えれば全然違う結果が出たりするわけで、その意味では単なる結果以上に、その結果からどのようなことが読み取れるかを分析することが重要になります。

 もっとも、それ以前に今回の企画は一種のお祭り的な側面があっただろうと思いますし、あれこれ言うのは野暮なことなのかも知れませんが、今回は試験用とのことですし、今後の参考になればという意味も込めて、少々分析したり私見を述べたりしたいと思います。


 ……と、いうことであれこれ書こうと思ったのですが、どうやらこの企画、「ライトノベルリングに登録しているサイト管理者」以外も投票できたようで。となるといよいよ投票者にはほとんどなんの共通点もないということになり、必然的に分析もできないということに……。そりゃ結果が2chライトノベル大賞と似通ったり*1もしますわな。

 その点については、やり方があまりにも2ch大賞そのままというのも原因のひとつとしてあるかと思います。具体的なやり方については、いろいろと考える余地があるかと。


 それにしても、人はなかなか「人気投票→ランキング」の呪縛から逃れられないものですな。冒頭に書いたように、人気投票というのはやり方次第でいかようにも結果が変わるわけで、つまるところどこまでいっても「参考」の域を出ないわけです。ライトノベルに関していえば、「このライトノベルがすごい!2006」内のものというそれなりによく考えられた(と私は思っています)ランキングがある以上、それ以外の人気投票について、個人的にはあまり魅力を感じません。

 そうしたランキングとは異なるアプローチとして、私のほうではサークルの企画として「本当はこのライトノベルがすごい!*2なんかを考えたわけですが、こうした小規模だからこそできる企画というのも悪くないのではないかと思います。今回の企画にしても、

このキーワードは、

はてなのキーワード機能、ブックマーク機能を使い、リング機能のユーザーでお気に入りのライトノベルについて語る」

ためのものです。

 という趣旨から言うなら、投票→ランキング形式にする必要は必ずしもなかったはずです。

 冒頭の繰り返しになりますが、このように書くのはお祭り気分に水を差すようなものなのかも知れません。 ただ、同じやるならより面白い祭を、とはだれもが考えると思いますので、そのひとつの指針になればと書いてみた次第です。

*1:ラノリン杯で4票以上獲得した19作と2005年2ch大賞上下半期で入賞した20作のうち、9作が重複。こちらも参考のこと。

*2:趣旨を簡単に書くと、「人気」ではなく「個人の思い入れ」や「手にとって欲しい度」を基準にその年のライトノベルベスト10を選定するという企画。一応ランキングの体裁をとってはいますが、入賞作およびその順位については参加者の合議制で決めたため、各作品に実質的な優劣の差はありません。