「銀盤カレイドスコープ」と「ヒカルの碁」

 上の文を書いていて思ったのだけれど、「銀盤カレイドスコープ」と「ヒカルの碁」はよく似てるなあ、と。

 まず、どちらも比較的マイナーな競技を扱っている。どちらもある日主人公が幽霊に取り憑かれるのをきっかけにして、一流の選手への道を歩んでいく。そして、どちらも競技周辺の状況が、非常にリアルに書かれている。それゆえにタズサはリアには絶対に勝てないし、ヒカルがアキラに勝てるのはまだまだ先の話になる。

(「ヒカルの碁」の対局におけるリアリティについてはこの辺参照→http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Orion/4689/69.html

ヒカルの碁」の場合、リアル路線を貫いたが故に行き詰まった→終了、みたいな説もあるみたいだが(真相は不明)、「銀盤」についても同じことが言えるんじゃなかろうか。特に「銀盤」は早々にピートがいなくなって、すぐに普通のフィギュアスケート小説になってしまった。しかも次の巻くらいでタズサも行き着くところまで強くなってしまい、スポーツ成長もの路線で行くことも難しくなってしまった。で、その次からはほかのキャラに視点を置きだしたわけだけども、こうもタズサ以外のキャラの話が続くとどうにも違和感はぬぐえない。

 とりあえず、これ以上ずるずると続けたりせずに次ですっぱり終わらせるのは正解。あとは最終巻にふさわしい盛り上がりと幕引きを見せてくれれば途中のあれこれもチャラにできるやもしれないが、はてさて。