時間があったのでたまってた感想を追記。一度に全部終わらせようと思ったけど結構量があっていくらか残ってしまった……。残りは近日中に、とか言ってる間にまた次の本を読み終わってる罠。あ゛あ゛あ゛あ゛

 それはともかく本日は8位の発表です。どぞ。





8位
ムシウタ〈01〉夢みる蛍 (角川スニーカー文庫)
ムシウタ」(岩井恭平角川スニーカー文庫


 夢を喰って成長する「虫」と、虫に夢を喰われながら夢を追い求める「虫憑き」たちの物語。

 まず、人物一人ひとりがしっかり地に足がついてる感がよいです。口癖とか服装とかで特徴づけるだけじゃなく、正確による書き分けがしっかりできている。最近はキャラクターが増えたり本編と番外編が平行して進んでたりして私自身追い切れなくなってる感がなきにしもあらずですが(笑)、そうした少年少女の物語は単純に良くできてるなあと思います。

 基本は決して明るい話ではないですが、かといって暗いばかりでもなく。希望もあって、なんとか幸せな終わりを迎えて欲しいなあと思う、そんな話。月末には最新刊発売です。


 その他の既刊はこちら↓

ムシウタ〈02〉夢叫ぶ火蛾 (角川スニーカー文庫)

ムシウタ〈02〉夢叫ぶ火蛾 (角川スニーカー文庫)

ムシウタ03 夢はばたく翼 (角川スニーカー文庫)

ムシウタ03 夢はばたく翼 (角川スニーカー文庫)

ムシウタ04 夢燃える楽園 (角川スニーカー文庫)

ムシウタ04 夢燃える楽園 (角川スニーカー文庫)

ムシウタ 05.夢さまよう蛹 (角川スニーカー文庫)

ムシウタ 05.夢さまよう蛹 (角川スニーカー文庫)

ムシウタbug―1st.夢回す銀槍 (角川スニーカー文庫)

ムシウタbug―1st.夢回す銀槍 (角川スニーカー文庫)

ムシウタbug 2nd.夢囚われる戦姫 (角川スニーカー文庫)

ムシウタbug 2nd.夢囚われる戦姫 (角川スニーカー文庫)

ムシウタbug 3rd. 夢狙う花園 (角川スニーカー文庫)

ムシウタbug 3rd. 夢狙う花園 (角川スニーカー文庫)

返信

 少々言葉足らずでした。私が「大事なのはその認識をもった上で、10代読者の感性も忘れないようにすること」と書いたのは、まさにその「『10代の頃の視点で見たときの作品の良さ』を理解すること」です。私自身「戯言シリーズ」を読んで「そんなことで悩む時期はもう何年も前に通過したっ!」と思いつつも「でもこれって多分いま思春期まっただなかな人たちにはクリティカルなんだよなー」とか感じてたりしますし。

 読み方、感じ方は違って当然だと思います。ただやはり「ライトノベル」というくくりで考えるなら、10代読者が好むような作品を「面白がれる」(「面白いと思う」、ではなく)資質が求められるのではないでしょうか。自分だけかもしれませんが、ライトノベルを一般文芸との対比のみで考えて、10代読者向けの単純なエンターテインメント作品などを軽視される方が少なからずいるように思いますので(わかっている人は、そんなカテゴライズなど関係なく自由に読んでいるのだと思いますが)。

 たとえばいちせさんご自身こちらで「砂糖菓子〜」を「ライトノベルの文庫から出すのは間違ってると思う」「まったくライトノベルらしくない」と書かれています。極論ではありますが、ライトノベルを読む上で、そういう作品しか楽しめなくなっているのであれば、あるいはそういう作品が出ることのみを期待して読んでいるのであれば、もうその人はライトノベルを読むのをやめるべきなんじゃないだろうか、と思います*1ライトノベルらしくない作品とライトノベルらしい作品、両方あってのライトノベル、だと思いますので。


「『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』はすごい、と思」うのは10代じゃないのか。

このライトノベルがすごい! 2006」では「砂糖菓子〜」に投票している人の多くは協力者、すなわち作家や書評家、ネットで情報系サイトを運営している方々です。前2者に10代が少ない(恐らくいない)のは言わずもがなですし、最後の方々の年齢についてはこちらにまとめられてます。加えて「砂糖菓子〜」の紹介ページで引用されているコメントはすべて20代以上の方のものです。

 もっとも、単に10代読者にはこれまで読むきっかけがなかったというだけの話で、実際に読んだなら「すごい」と思うのかもしれません。「このラノ2006」で3位に入ったということで、そのきっかけもできたわけですし。ただ現時点で確実に言えるのは、20代以上の読者に「すごい」と思っている人が多い、ということです。

*1:いちせさんご自身がそうだと思っているわけではないです(笑)。念のため。

ヤスダスズヒトのデザインはやっぱり非凡だと思う

 アニメ化も決まって絶好調! なシリーズ第7弾。

 今回は急展開。ついに佐間太郎が神様になるための行動を開始。「神様になる」という漠然とした目標がありながら具体的にどうするというのがこれまではいまいち見えてこなかったけど、これでようやく方向性が定まったというところか。相変わらずシリアスとギャグのさじ加減は見事。今回はイラストもギャグ部分を手伝ってたりして笑った。

 世の慣例に倣えば「第1部完」てとこでしょうか。マンガとかだと永久に第2部が始まらないことも多いですが、この作品についてはなんとか続いていって欲しいところ。

子どもであれこれっていうのは正直ちょっと卑怯だと思ったり

紅 (紅シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

紅 (紅シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

電波的な彼女」と世界を共有する新シリーズ。

「電波的〜」も割と「手堅い」感じの作品だと思うけど、今回はよりいっそう手堅くいった感じ。設定とかに色々工夫は見られるものの、ノリ的には少年マンガ。個人的にはもうひとつ何か欲しかった。しばしば挿入される社会への風刺も、ストーリーと少なからずリンクする「電波的な彼女」だからいいのであって、これだと内容と乖離しているように見える。惜しい。

 なんかもう色々戯言シリーズとかぶるってのはだれもが気づいてることだろうから軽く触れるにとどめておいて、こっちで色々世界設定が明かされたってことは「電波的〜」でも使うってことかね。うーん、あっちはあくまで「日常に潜む恐怖」みたいなものをあれこれする話であって欲しいんだけども。