ライトノベルのタイトルロゴに使われているフォント(2010年6月/富士見ファンタジア文庫、一迅社文庫)

 昨日に続いての更新。今日は2レーベル分です。まずは富士見ファンタジア文庫から。


GENEZ?4  ジーンズ (富士見ファンタジア文庫)

GENEZ?4 ジーンズ (富士見ファンタジア文庫)

Impact。WinでもMacでも標準で入っている、有名なフォントですね。

2文字とヒントは少ないですが、「Re」は恐らくUnivers Ultra Cond。これまた斜体がかかっていて難しいですが「バカは世界を救えるか?」はリュウミンモリサワ)だと思われます。

だから僕は、Hができない。  死神と人生保障 (富士見ファンタジア文庫)

だから僕は、Hができない。 死神と人生保障 (富士見ファンタジア文庫)

かなり加工していて中には元とかなり変わっている文字もあるのですが、ひらがな部分はモリサワはせトッポを元にしていると思われます。「僕」は同じくモリサワ新ゴかと。

アリアンロッド・サガ3  ロンサム・ヒーロー (富士見ファンタジア文庫)

アリアンロッド・サガ3 ロンサム・ヒーロー (富士見ファンタジア文庫)


テツワンレイダー3 (富士見ファンタジア文庫)

テツワンレイダー3 (富士見ファンタジア文庫)


レジェンド・オブ・レギオスII イグナシス覚醒 (富士見ファンタジア文庫)

レジェンド・オブ・レギオスII イグナシス覚醒 (富士見ファンタジア文庫)

上記3つの作品は、カタカナ部分の元となっているフォントが同じなのでまとめて紹介します。ベースになっているのはモリサワゴシックMB101。『テツワンレイダー』は払いの部分が角張っていたりとかなり加工しているのですが、字の形を見る限りMB101がベースなのは間違いないと思います。

今回二度目の登場となるリュウミンモリサワ)。『書体の研究 for Digital Creators』ではサブタイトルの書体についても調査されているので、興味のある方は手に取ってみては。

蒼穹のカルマ5 (富士見ファンタジア文庫)

蒼穹のカルマ5 (富士見ファンタジア文庫)

うろこの形に特徴があることから、漢字がTB明朝(タイプバンク)というのはすぐわかったのですが、「ル」や「マ」の形が明らかに違う。確証はないですが、この2文字だけ行成に変えているのではないかと思われます。

大伝説の勇者の伝説8 壊れた魔術師の未来 (富士見ファンタジア文庫)

大伝説の勇者の伝説8 壊れた魔術師の未来 (富士見ファンタジア文庫)

漢字部分は先ほども登場したゴシックMB101モリサワ)。二度登場する「の」は、同じモリサワ光朝です。

中の下!  ランク2.中の中を目指すオレたち (富士見ファンタジア文庫)

中の下! ランク2.中の中を目指すオレたち (富士見ファンタジア文庫)

「中/下」は、「の」はさっきも出てきたはせトッポ。共にモリサワのフォントです。「!」はほかにも同じような形のフォントがある気もしますが、モリサワだとじゅんが近いようです。

漂う書庫のヴェルテ・テラ3 (富士見ファンタジア文庫)

漂う書庫のヴェルテ・テラ3 (富士見ファンタジア文庫)

この企画でもすでに何回か登場している、モリサワ徐明です。


なんとほとんどの作品がモリサワのフォントを元にしているという結果に。富士見はなんだかんだで手堅く本を作っているイメージがあるのですが、ロゴの作り方もそんな印象を感じる一因になっているのかもしれません。*1

続いて一迅社文庫です。

10歳の保健体育 (一迅社文庫 た 1-2)

10歳の保健体育 (一迅社文庫 た 1-2)

昨日紹介した『夜が来るまで待って』同様見た目からしてオリジナルな雰囲気漂うロゴですが、案の定元ネタらしきものは見当たりませんでした。それにしてもすごいチャレンジングな表紙ですな。

白鷺このはにその気はない! (一迅社文庫 は 4-4)

白鷺このはにその気はない! (一迅社文庫 は 4-4)

「白鷺このはにその」までと「は」が超極太丸ゴシック体(ダイナコムウェア)、ルビの「け」が新ゴモリサワ)、「ない」が超極太ゴシック体(ダイナコムウェア)。「気」はリュウミンモリサワ)っぽいんですが、だとしても多少いじってあるのは間違いない*2ので、もしかしたらまったく違うものが元になっているのかも。

桐野くんには彼女がいない!? (一迅社文庫 か 3-3)

桐野くんには彼女がいない!? (一迅社文庫 か 3-3)

「桐野」が彩滉(ニィス)、「くんには/がいない!?」がじゃんけん(ニィス)、「彼女」が新丸ゴ(モリサワ)。書名といい書体の組み合わせっぷりといい、上の『白鷺このはにその気はない!』と似ていますが、こちらはニィスのフォントが中心になっています。


 3冊と数は少ないですが、それぞれ違う方向性で作ってあるロゴがバリエーションを感じさせます。

 次回は25日、MF文庫Jスーパーダッシュ文庫です。メディアワークス文庫は……まあ、余裕があれば。

*1:モリサワは今日におけるフォントのトップメーカーで、本だけでなくあらゆるところで使われていたりします(例:駅名表示のサイン)。

*2:3画めがやや下寄りになっていますが、リュウミンにはこういう特徴はありません。