読んでるうちに新反白色テロル大連帯を思い出した

太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)

 第15回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

 先に『四畳半神話大系』を読んでたのだがこれはこれで実に良い。SF風味が薄い分濃度を増したモテない男子学生の暴走&妄想が笑いと哀しみを誘う。溢れ出る男汁と童貞パゥアに何度滂沱の涙を流しそうになったことか。だってあれですよ、愛用の自転車「まなみ号」で爆走した挙げ句盗まれたりケンタッキーの女性店員に不幸に満ちた脳内設定をつけて沈んだ気持ちになってみたりクリスマスを破壊すべく暗躍したりするんですよ? これが賞を取るほど受け容れられるというのが喜ばしく、またなお哀しくもある。

 なんかものすごく読者層が限られる気がする快作。うむ、面白い。


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四畳半神話大系

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