マブラヴオルタを擁護する

 ついに「マブラヴ オルタネイティヴ」発売まで1週間を切りましたね。

 思えば長い道のりでした(具体的な延期の歴史についてはこちらを参照)。延期告知が出るたび叩かれまくってたのもいまとなってはいい思い出。あとはひたすら発売日当日を待つだけです。

 私は実はアージュのゲームは「マブラヴ」から入った人間で、そのあと「君が望む永遠」もやったんですが、いまだに「マブラヴ」のほうが好きという多分希少な人間です。オルタもずっと楽しみにしてて、発売日が決まるまで気長に待っていましたが、実際決まったいまはとにかくその日が楽しみで仕方ありません。少なくとも、待っただけの甲斐はあったゲームになるだろうという予感があります。

 それだけ私は、アージュというメーカーの作るゲームに期待しています。


 実のところ、アージュはいいメーカーだと思います。なにがいいかって(「君のぞ」以降しか知らないで言うのもアレですが)色々面白いことをやろうとしているところです。

 エロゲーのほとんどを占める「紙芝居ゲー」では、ゲームとしての善し悪しは実質シナリオライター原画家個人の才能に左右されます。この点アージュは独自のシステム(AGESのことね)を取り入れたり、アニメを導入したりして、そもそも「単なる紙芝居」にならないよう工夫しているのがうかがえます。*1

 しかも、大ヒット作「君が望む永遠」のあとに、超王道学園恋愛もの&SFロボット戦争ものというまったく違うジャンルの話を作ろうとしている。アージュの力であれば、keyやTYPE-MOONのようにある程度作風を固定していくことも可能だったと思いますが、あえて全然違う話を持ってきたところに、ただ1回のヒットでは終わらないという意気込みを感じます。

 ほかにも折に触れイベントなどもよく開催しています。「そんなことやってる暇があればゲーム作れ」というツッコミはもっともですが、アージュの場合それはそれとして楽しめるようイベントにはかなり力を入れているように感じられます。たとえ資金調達のためであっても、それで面白いゲームを作ってくれるなら構わないと私は思ってます。

 先日ねこねこソフト終了関連の記事を書きましたが、方向性は違えどこうしたサービス精神は両者に通じるものがあると思います。そういった意味で、アージュねこねこソフトとはまた別の意味で特異なメーカーなのかもしれません。


 なんかオルタ擁護というか、私がなぜアージュのゲームを好きかみたいな話になってしまいましたな。むう。

 あ、一応断っておきますが私は「延期」そのものを擁護するつもりはありません。延期する=流通やユーザーとの約束を破ることですから、理由が何であろうと延期は本来許されるべきことではないでしょう。「ソフトを運搬していたトラックが事故った」とかいう理由なら「仕方ねえなあ」とも思えますが(笑)、開発スケジュールの見通しが甘かったというのがほとんどだと思います。納期を守るというのも能力のうち、延期はしないに越したことはないでしょう。

 ただまあ、ようやく発売日が決まったいま、いつまでも延期ネタを引っ張るのもどうなんですかね、という気がしないでもないです。ただ叩きたいだけの人ならともかく、ファンとしてはそれはそれとして、そろそろ作品そのものの話をしたいという思いがあります。

 もちろん、作品に満足がいかなかった場合はきちんと批判するつもりです。それがファンとして誠実な態度だと思いますから。

*1:私がマブラヴをプレイしたときに一番衝撃を受けたのは「後ろ向きの立ち絵」があったことです。システム的演出的にあのゲームには欠かせないものだったと思いますが、後ろ姿とはいえ描くには手間がかかるうえ、それでユーザーの評価が大きく上がるわけでもないですし、作る側としてはできれば入れたくないというのが本音だと思います(実際後ろ向きの立ち絵を通常導入していたゲームは、私の知る限り今に至るもマブラヴだけです)。それをあくまで演出に必要なものとして採用していたことは、当時の私にとって大きな衝撃でした。