てっきり本で殴り合ったりするもんだと思ってました
- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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何より問題なのは、登場人物たちから「本を守りたい!」という強い想いがほとんど感じられないこと。単に思想を守るだけならインターネットとかもあるはず*1なのに、ほかでもない「本」を守ろうとするからにはみんな本が大好きであるはずなのだ。なのに、そのへんの描写が全然なかったのは大きな問題だと思う。
奇しくもあとがきで著者自身が書いてあるように、どうしても最後、月9ドラマ的なオチをつけないと気が済まないところがこの著者の限界という気がする。次も出たら多分一応買うけど、そろそろひと皮むけて欲しいところ。
*1:作中ではネットの存在に一切触れないことでかわそうとしているけれど、現実を下敷にし、かつ思想的な問題を取り上げている以上言及しないのはどうにも不自然。