「遠いところの臭いを嗅げる能力」と書くとなんか微妙に嫌な感じですね

 おお、結構面白いよ?

 基本の設定としては主人公がある事故をきっかけに透視能力に目覚めて、という割とありがちな感じなんだけども、ちゃんと「以前悪用していた」という設定を持たせたりと「透視能力者」としての説得性があったところに好印象。展開的にも「こういう状況では普通こうするよなあ」というのがきっちり押さえられていて納得のいく流れに。もう少し主人公を弱くしたら緊張感が出てより良くなったかも、という気もしないでもないけどま、許容範囲か。

 主人公の性格のおかげでハードボイルド風味もちょっとだけあったりと、地味ながら好感の持てる良作。最初の2ページ読んだときはどうなることかと思ったけど、いやはや。