エロゲーとライトノベルが違うのは当たり前、という話
なにやらライトノベルとエロゲーの違いについての議論がわき起こっているようでありますが、リンク先にも書かれているように両方をそれなりに楽しんでいる人間としてはどうしてこの二者が比較されるようなことになるのかがさっぱりわかりません。たぶん見た目の印象だけで比較対象にされているのだと思いますが、比較しようがないほど違う点のほうが多いのは少し考えればすぐにわかるはずです。ラノベとエロゲでは、そもそも物語構造や文章におけるセオリーが違う、とのことですが率直に言ってそんな当然のことを再確認されても、という感じではあります。
そもそも比較対象がシナリオの形式(分量や文体)なのか、それともシナリオの内容(ストーリー)なのかがあちこちでごちゃごちゃになっているのが問題といえば問題です。
前者ですが、これはもう表現形態が違う以上比較してもしょうがない、という以上に言うことはありません。シナリオの形式に話を限れば「エロゲーとライトノベルの違い」というのは要するに「ゲームのシナリオと小説の違い」であって、比較するほうがナンセンスだというのは明らかな話です。
また後者については、結局のところ何らかの形でセックスというものを描かなければならないエロゲーに対して、ライトノベルにはそのような制約はない、というのが決定的な違いでしょう。反例としてはひとまずこれ*1なんかを挙げておきますが、たとえ男主人公に女ヒロインという構成の話でもセックスしてしまえばいろいろ台無しになる場合がほとんどだと思います。*2
冒頭リンク先ではライトノベルっぽい話の例として『SEVEN-BRIDGE』や燃えゲーが挙げられてますが、いまやなんちゃって文学作品っぽいような話*3がライトノベルのレーベルから出てくるような時代、「ライトノベルっぽい」なんていう表現は限りなく不確かなものになっています。そんな時代にエロゲーとライトノベルを内容面で比較するなどということは、これまたナンセンスなことだと言えるでしょう。