「極限状況に置かれた一般人」の描写についてはいろいろ考えさせられますな

バレンタイン上等。 (MF文庫J)

バレンタイン上等。 (MF文庫J)

 「上等と書いてくそくらえと読む」シリーズ第2弾。

 主人公ズのへたれっぷりも読了後の「所詮TV番組」という事実の裏に見え隠れする悪意も全部ラストのカタルシスで一発で許せそうな気がしますがやっぱり許せません。個人的に結末のカタルシスよりそこに至る過程のほうが大事だと考える人間なんで、ラストだけやたらと勢いあってもしょうがないのよー。つーかそもそも私はカップルのふたりが互いにひとりであーだこーだ悩みまくるような話が根本的に嫌いなようです。駄目じゃん。

 個人的な嗜好を除けば総体として安定した面白さ。来月には「ホワイトデー上等。」が出るらしいですが、作者氏には変わらず王道路線を突っ走っていただきたいものです。にしてもこうしてみるとこの国の年度末はつくづくアレなイベント目白押しですな。ホワイトデーの次はどうするんじゃろか。